手に職つける仕事がしたい…でも30代になって今更、私に新しいことができるのだろうか?
そう悩まれる方は少なくないと思います。
結論から言うと、30代未経験でもCADオペレーターになることは十分可能です。理由としては以下の2つが挙げられます。
- 人手不足 CADソフトを扱える人材は年々不足傾向にあります。実際CADオペレーターの求人を検索すれば、地域差あれどたくさん出てきます。近年ではこの人材不足への対策として、派遣会社がCAD未経験者に対し事前に研修を行ってから派遣するということを行ったり、事務職がCADオペも兼務する「事務+CAD」求人も増えてきています。
- 実際にスクール卒の30代後半のママさんが活躍している 私自身の経験の中でも、スクール卒の30代後半のママさんがCADオペレーターとして採用され、一緒に働く機会が2度ほどありました(しかも、その2度は別の職場です)。その他にも、私の知人の50代ベテランCADオペレーターのママさんも、30代で職業訓練校に通いCADを学んだという方。私自身はそうではないんですが、実際にはCADスクールや職業訓練校を卒業して活躍されている方が結構いるんだなと思いました。このことから、CADは30代未経験でも十分挑戦可能な職種だと言えます!
CADオペレーターの仕事内容
まず、CADとは何ぞという方もいらっしゃるかもしれませんので、CADの説明からしておきましょう。CADはComputer Aided Design(コンピューター支援設計)の略で、PC上で何かを設計するために使うもの(ソフト)というくらいで覚えていただければと思います。
CADソフトは製造業や建築、土木業界、アパレル業界など、幅広い業界で使用されており、それぞれの業界に特化したソフトや共通して使用されるソフト等、何種類も存在します。(※アパレルCADオペレーターという選択肢はほぼないものだと思ってください笑。情報としては出てくるものの、求人も見たことがなく、なりかたも不明です^^;)
そして、CADオペレーターとはその名の通り、CADソフトを操作(operate)する人のこと。基本的な業務は、設計者の指示通りにCADソフトを使用して図面(※下図参照)を作成・修正したり、3Dモデルを作成・修正することです。

未経験者が最初に取り組む業務として多いのが、図面修正です。まずは設計者の指示通りに、CADソフトで修正をする。業務に関連する知識は仕事を通して徐々に覚えていき、任される範囲を拡大していく。そんなイメージでよいでしょう。
CADオペレーターの業務で最も重要なのは 正確性 です。間違いがあると設計に大きな影響を及ぼすため、細かいミスを防ぐ意識が必要になります。
人よりいろんなことに気が付きやすい方、注意深い方には特に向いているお仕事です☆
学び方(独学・職業訓練校・スクール)
CADを学ぶ方法は大きく分けて3つあります。
- 独学
- 独学で学ぶ場合、無料のCADソフトやオンラインの学習教材を活用できます。(参考:完全無料で使用できる、最もメジャーなCADソフトはjw-cadです。建築業界で使用されています)
- ただし、モチベーションの維持や実務レベルのスキル習得が難しいことがデメリット。
- CADソフトをインストール&操作可能なスペックのPCが必要
- 職業訓練校
- 失業中の方はハローワーク経由で職業訓練を無料で受講可能(テキスト代は必要、失業手当を受給しながら受講できます)
- 3〜6か月のコースが多く、基礎から学べる。
- 開校スケジュールに注意。狙いのコースを受講できるかどうかはタイミング次第
- スクール(専門学校・オンライン講座)
- 働きながら学びたい場合、オンライン講座や夜間スクールが便利。
- 費用はかかるが、短期間で実務レベルのスキルを身につけられる。
- コースによっては国から助成金が支給されることも(参考:リスキリングを通じた
キャリアアップ支援事業)
どの方法を選ぶかは、自分の生活スタイルや予算に合わせて決めるのがベストです。
就職活動のポイント
未経験の場合、最初は派遣やパート・アルバイトからスタートするのがスムーズです。特に、正社員型派遣(無期雇用派遣) を活用するのも一つの方法です。(筆者も正社員型派遣の経験者です。同期はCAD未経験者でした^^)
正社員にこだわりたい場合、小さなメーカーや設計事務所なら未経験で採用される可能性はあります。が、、、
小さな企業ならではの課題により、思っていたよりハードな働き方を求められてしまうことも少なくありません。未経験からの正社員での就職は慎重になった方が良いと筆者は考えます。(実体験から)
機械系と建築系の違い
スクールや教育訓練校でCADを学ぶときも、就職活動するときも、どちらにしても”機械系”と”建築系”の選択を迫られます。そんなのまだわかんないよ~という方は、以下のに両者の特徴を挙げているので参考にしてみてください!
機械系
- 未経験でも入りやすい(CADの使用経験(スクール卒含)があればOKの求人が多い)
- 比較的、正社員になりやすい(ただし残業が必須になることが多い)
- 勤務地が郊外やアクセスの悪い場所にあることが多い
- 給与はそこまで高くない(建築系と比較して)
- 工場併設職場では作業着&安全靴着用、製造現場に行くこともある
- 男性が多い
- 始業時間が早い(8:00~/8:30~が多い)
- 柔軟な働き方がしづらい(在宅・フレックス等)
建築系
- 業界知識を持っている方が有利(スクールや職業訓練校で学ぶと有利)
- 給料は機械系より高い傾向
- 正社員への間口は機械系より狭い印象
- 機械系より在宅・フレックスの制度が用意されている企業が多い(が、在宅には積極的でない企業も多数)
- 1つのプロジェクトに多くの企業が関連しているため、他社の動きの影響を受けやすい(急な変更対応が必要になったりすることも)
機械系と建築系、どちらを選ぶべき?
「今すぐ正社員」という考えではなく、自分の働き方やキャリアプランをよく考えて選ぶのが大切です。
・残業しても構わない、技術力をつけてバリバリ働きたいという方であれば、機械系CADオペレーターから機械設計者を目指すプラン
・ある程度高い賃金で働きたいが、家庭との両立も大事という方であれば、派遣の建築系CADオペレーターでやっていくプラン
・とにかくやってみたい、試してみたい、そこまでバリバリ稼がなくても良いから、安定して収入を得られる状態にしたいというのであれば、パート・アルバイトから機械系CADオペレーターに挑戦するプラン
これは筆者の経験から考えたプランですが、その他働く上で大切なことはそれぞれあると思いますので、情報収集しながら検討していきましょう!
とはいえ、途中で進路変更しても良いんです。人生長年生きてたら何があるか分かりません。途中で考えが変わってもね、いいんです!人間だもの!
誰にも責められたことではないんです。(むしろ変わんないほうが変!)
私は、建築(2Dオペ)→機械(2Dオペ)→機械(3Dオペ)→プラント(2D+3Dオペ)→建築(2D+3Dオペ)とまあぐっちゃぐちゃですよ。正社員も派遣も入り組んでます!苦しくなって逃げだしたり、その時々で純粋な向上心で転職したり、家庭の事情で生活に変化があったり…人生こんなもんです。
こんなにコロコロかわるのは全然おすすめできませんが、これでもなんとかやれてます。生きてます。子どもも育ててます。。。笑
進路は決め切らず、広い視野をもちつづけながらCADを含め自分のスキルを拡大させていくことができれば良いなと思います。
まとめ
30代未経験からCADオペレーターになるのは可能です。しかし、これからのキャリアや働き方は、個々に置かれた状況によって異なるため、とるべき選択肢もそれぞれです。
子育て中のママ、子どもがある程度手がかからなくなってきたママ、とにかく手に職つけてバリバリ働きたい方、家族の協力の有無、住んでいる場所…
自分のありたい姿と自分のおかれた状況、どちらもよく鑑みて決める必要があります。
最初の一歩として、スクールや職業訓練校で学びながら、派遣で実務経験を積むのがベストな方法 だと言えるでしょう。
コメント