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CAD求人に多い【無期雇用派遣】とは?正社員と何が違うの?無期雇用エンジニア経験のある筆者が実態を徹底解説!

CADオペとキャリア

CADオペレーターの求人検索すると、必ずといっていいほど目にする「無期雇用派遣」。

正社員とも書いてあるけど、派遣ってどういうこと?と混乱する方もいらっしゃるのではないでしょうか。

筆者も初めて聞いたときは、「なにこれ?あやしくない?」と疑ってしまいました笑

とは言いつつ、実は無期雇用派遣で5年間の就業経験があります。

CADオペとしてではなく、機械設計エンジニアとしてでしたが、働き方には変わりないので私の経験を交えて無期雇用派遣についてお話ししていきます!

無期雇用派遣とは?

「無期雇用派遣」とは、派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結び、派遣先企業で働くというスタイル。契約は「派遣会社」と結びますが、雇用は安定しており、一般的な「登録型派遣」(案件ごとの契約)と違って、雇い止めのリスクが少ないのが特徴です。


エンジニア職で無期雇用派遣が増えている背景

近年、エンジニア業界では無期雇用派遣という働き方が広がりを見せています。背景には以下のような要因が考えられます:

  • 企業側の人材確保ニーズの高まり:技術者不足を背景に、即戦力として派遣エンジニアを受け入れる動きが強まっています。実際、私が働いてきたどの企業においてもCAD人材の採用には苦労していました。派遣会社が採用~教育まで請け負ってくれると、企業の負担も少なくスムーズに人材確保ができる、理にかなったシステムだなあと思います。
  • 働く側の「安定志向」と「柔軟な働き方」の両立:まだまだ世の中への認知が浅い雇用形態ですが、フルタイムの正社員ほど縛られず、収入面や福利厚生の安定を得られる無期雇用派遣がだんだん注目されてきています。

無期雇用派遣と正社員の違いとは?

比較項目無期雇用派遣正社員
雇用主派遣会社勤務先企業
配属先派遣先企業(変更あり)原則、社内異動などのみ
雇用期間無期(安定)無期(安定)
福利厚生派遣元に準拠勤務先企業の制度
キャリア形成派遣元・派遣先の支援による社内制度・昇進制度あり
評価制度派遣元が評価(派遣先とは別)勤務先が評価

無期雇用派遣のメリット・デメリット

メリット

  • 雇用が安定している(契約が切れても給与が保証される)
  • 福利厚生や社会保険が整っている
  • 正社員よりも柔軟な働き方が可能
  • 派遣先によっては残業が少ないなど、ワークライフバランスが取りやすい
  • 入社後に技術(業界知識・ソフト操作等)研修があり、未経験者でも挑戦しやすい

デメリット

  • 配属先は自分で選べないことが多い
  • 評価制度が不透明で、キャリアアップにつながりにくい場合も
  • 派遣先での扱いは登録派遣と同じ「派遣さん」と捉えられることも

筆者が無期雇用派遣を選んだ理由

私がこの働き方を選んだのは、以下の2つの理由からです。

  1. スキルと経験をきちんと蓄積して成長したい
    実際:雇止めのリスクを気にせずともいろいろな派遣先で経験が積めることにメリットを感じ、成長できるのではないかという期待を抱いていました。結果、いろいろな経験は積めましたが、先々役立つ形で経験が積めたかといえば疑問です。というのも、派遣先及び仕事の内容は自分で選べないというのが現実だからです。私の場合、「機械設計エンジニア」という職種名がついているので、機械設計の仕事をして機械設計者としてスキルアップをしていくのが順当なキャリアアップの路線だと認識していたのですが、私が携わっていたのは解析サポートの仕事でした。もちろんこの先解析エンジニアとしてキャリアを築く道もあったかもしれませんが、文系出身の私からすると解析はかなり高度な内容になります。よって、任される業務も限られてしまう…。仕事は楽しくてやりがいもありましたが、持っているスキルがニッチすぎて「成長していく」というビジョンが見えませんでした。このように、無期雇用派遣は派遣先を選べないということで、やりたいことがあったり「こういう路線でキャリアアップしていきたい」というビジョンが明確にある方にとってはやりづらいことも出てくるでしょう。
  2. 子育てと両立できる、無理のない働き方がしたい
    実際:時短勤務ができたことで、子どもとの時間をしっかり持ちながら働くことができました。会社は大手人材系のグループ会社ということで、個々にあるそれぞれの事情に対してすごく理解がありました。ただし、時短を受け入れてくれる職場は限られていました。私は運よく就業先が見つかりましたが、同じママさん同期は就業先が見つからず”待機”という形で、技術・ソフト学習をしていました。その間はもちろんお給料が出るので安心ですし、割り切れれば良いですが、待機の期間が長ければ居づらい気持ちも沸いてきたり…。※それは自分のせいではなく、派遣会社の取引先の数や求人の状況によってそうなるもの!結局、異動申請を出して別の職種になったそうです!(それはそれで良い制度を備えた会社だなと思います★)

昇給昇格について

私の就業していた派遣会社では、エンジニアのレベルと賃金テーブルが設定されていて、例えばレベル1は初心者、レベル2は中級者、レベル3は上級者のようにざっくりレベル分けがあり、さらにレベル1の中でも1a、2b…と細かく区分されていました。

年度の始まりに目標設定を行い、年度末にどの程度目標を達成できたか評価(自己評価+上司からの評価)を受けて、昇給・昇格する「MBO」という評価システムを採用していました。

評価する上司は派遣先での仕事ぶりを実際に見ているわけではないので、昇給昇格には自己評価が肝になります。自分を客観視でき、何ができたか、何ができなったかをきちんと伝えることと、またその内容には説得力がなくてはなりません。

また、私がしんどかった点としては、「派遣会社の社員として、何らかの形で自社に貢献すること」が求められること。

たとえば、「自社のメンバーのために、自分が携わっている〇〇についての仕事内容についてまとめ共有する」「他のメンバーが知らないであろう新しい知識を就業先で仕入れたので、共有する」など、何かしらの形で自社のために取り組みました!というアピールするためのアクションが必要でした。

派遣会社からすれば、登録派遣の派遣社員と違って無期雇用社員には就業先が見つからない間の”待機期間”もしっかり給料を支払わなければならないというコストを払っているわけですから、登録派遣よりも当然、求められるレベルが高くなります。


実際に働いてみて感じたこと

  • 派遣社員として守られている安心感:無理な残業や過重労働を強いられることが少なく、働きやすい環境でした!
  • 派遣先では「派遣さん」扱いであることが多い:派遣元正社員で、「機械設計エンジニア」という肩書を持ちながら、実際就業先では「登録派遣のCADオペレーターと同列」として「派遣さん」という扱いを受けるので、モチベーションに響きました笑…
  • 評価は派遣元が行うため、成長が見えにくい:月1回の面談などで自分の頑張りをアピールする必要があります。
  • 福利厚生は派遣元の制度に準じており、整っている:会社によりますが、大手グループともなると福利厚生は申し分なく整っています。また、キャリアチェンジが可能だったり、キャリアコンサルタントへの相談も可能だったりする会社も少なくありません。

なぜ無期雇用派遣をやめたのか

離婚を経験し、シングルマザーとして自分が家計の中心となったことで「もっとキャリアアップをして、収入も増やさなければ」と強く思うようになりました。

当時は時短勤務で無理なく働ける環境にありましたが、子どもを育てていく現実を考えると、フルタイム勤務やキャリアアップが必要でした。

派遣先に延長を相談しましたが、業務量の少なさから見送りに。

派遣元にも他の派遣先について相談しましたが、時間に制限のある人材をすぐ受け入れられる企業は見つかりませんでした。

また、評価面談が夜遅く(20時〜21時)に設定されていることで、親に子どもを預ける負担も精神的に大きかったです。

これはどれだけ身内に頼れるかにかかっているところですが、私自身はあまり頼ることのできない環境にありました。

派遣元はとても丁寧に対応してくれて信頼できる会社でしたが、いちはやくキャリアアップ&収入アップを考えると直接雇用での経験が重要だと判断し、転職を決意しました。


まとめ:無期雇用派遣という選択肢と、その先にあるもの

無期雇用派遣は、安定性と柔軟性を両立した、非常にバランスのよい働き方です。特に、子育て中の方やライフワークバランスを重視したい方には向いていると言えます。

今回紹介したのは、製造業、しかも機械設計エンジニアという職種での体験談になるので、CADオペレーターとしてのキャリアとはまた異なる部分もあるかと思います。

建築系になるとまた違った状況になる可能性も大いにあります。特に、就業先の選択肢・働き方の選択肢は機械CADオペよりも広がると筆者は考えています。

ただし、長期的にスキルアップや収入アップを目指すのであれば、その働き方の限界や「次の一歩」をいつ踏み出すかも重要になってくるでしょう。

私自身は、無期雇用派遣という働き方に感謝しながらも、自分の人生にとって必要な「転機」と向き合ったことで、また新しいキャリアをスタートできました。

無期雇用派遣のメリットデメリットを十分に理解した上で、その働き方を「上手に利用する」、そんな視点をもって臨めば、良い体験になるかもしれません。

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